北極海の生態系
生命に満ちあふれている北大西洋と北極海は、私たちにとって大切な食料の宝庫です。
寒くて厳しい気候にも関わらず、北大西洋および北極海には水産物が満ちあふれています。海面下には豊かな環境が広がり、天然資源の宝庫です。
北大西洋と北極海全域では、確認されているだけでも1,100種類近い魚介類が生息しており、うち600種類は遠洋性で、その他は深海性です。グリーンランド周辺の海域だけでも、甲殻類やムール貝を含む250種類以上の魚介類、また15種類のクジラとイルカ、6種類のアザラシやアシカ、セイウチが生息しています。
水温
北大西洋と北極海域には、厳しい気候と寒冷環境へ適切に順応した生態系が広がっています。それでも気温・水温には変動があり、1℃に満たないわずかな温度変化でさえも天候と生態系に大きな影響を及ぼします。
タイセイヨウダラと甘エビの現状
21世紀に入り、グリーンランド周辺海域の水温が若干上がったことによって、タイセイヨウダラの数が急速に回復しています。それと同時に、甘エビ群はより海水温が低い北方へと移動しています。